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2011年6月10日

バッハ・トランスクリプション


6月2日がエドワード・エルガーの誕生日であるのを知ったのはBERLINER PHILHARMONIKERのTWITTERでである。今年のその日はエルガー145歳の誕生日であったという。そのエルガーがバッハを編曲したのが珍しかったので購入したアルバムについて。

エルガー編曲の幻想曲とフーガハ短調は、スネアドラムやらハープまで動員されており、出だしはしみじみとしたヨーロッパの映画音楽の趣きが後半のフーガはドンちゃん騒ぎ。サロネン指揮ロスフィルの上品さが悪趣味になる寸前で曲を終わらせた。全体としてはエルガーらしい重厚な音楽。

おなじみストコフスキー編曲のトッカータとフーガに始まるこのアルバムの名はBACH TRANSCRIPTIONS。エルガー、ストコフスキーのほかはシェーンベルク、ベルク、マーラーが登場する。

しかし、何故バッハを編曲したものが多いのだろうか。原曲が良いからということもあろうが、実はオリジナルの楽器編成がオルガン曲だったり編成がバロックであったりしてなんとも渋すぎるから、「では私が近代のオーケストラで再現しちゃいましょう。」というところかもしれない。人に言わせれば大バッハをアレンジするのはもってのほかと言うが。まあいい響き、ゴージャスな音響で聴かせちゃおうということでしょう。展覧会の絵のように原曲よりも立派で有名になったケースもあるし、それを狙っているのかもしれないが他人の褌でスモウをとるようで・・。

そして有名なウェーベルンのリチェルカーレ、シェーンベルクのプレリュードとフーガ。最後にはマーラーによる管弦楽組曲2番ん、3番。もうこの辺になると彼らの作曲家としての高度な技術、管弦楽法を駆使し、しかもバッハらしい雰囲気を損なわないで完成させていることに驚嘆。

最近のCDは曲の組み合わせでは、昔の「運命-未完成」や「月光ー悲愴ー熱情」みたいなありきたりのカップリングではなく、このアルバムのように演奏家やプロデューサーの考えに基づいた趣味の良いアルバムが増えている。良いことだと思う。



Esa-Pekka Salonen  Los Angels Philharmonic
Producer:David Mottley

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