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2012年1月3日

オリンパスの栄光





唐突だがオリンパス株式会社のことである。

カウンターで酒を飲んでいると全く知らないお客との会話が成立し、盛り上がる場合もある。
昨年私がまだ金沢に単身赴任していた頃、夕食の食堂として利用していた金沢駅のカウンターのみの小さな寿司屋でいつものように飲んでいると、私の隣の席に一人の旅行者と思しき初老の紳士が座った。最初の話題は金沢の寿司ネタと地元の清酒のことだったと思うが、話は進み、結局その御仁はあのオリンパスを定年退職して各地をゆっくり旅行しているということが判った。オリンパスといえば内視鏡をはじめとする高度な精密医療機器で有名であるが、私にとってはカメラで大いにお世話になったことがあったので、昔の一眼レフの名器「ペンFT」や「ズイコー・レンズ」のことなで大いに盛り上がった。同社は日本人の手先の器用さ、緻密さを代表するような企業でアイデアや技術力で地道に順調に発展してきた60年代の経済発展のさなかでも見本のような会社であるというイメージが強かった。この頃のデジカメの時代、カメラ部門では少し遅れをとっていて苦戦をしていたようであるが、昔日の解像度と描写力で定評の「ズイコーレンズ」を知る者としてはやはりカメラを選ぶとすれば、ニコンやキャノンとともに、オリンパスの名を挙げるのである。

以上は勿論オリンパスの事件が表面化する前の話である。

もともとオリンパスは顕微鏡を作る会社で旧社名はオリンパス光学工業である。(大正8年の創業時は高千穂製作所のちに高千穂光学工業)顕微鏡やカメラは当時から有名であった。いまも光学機器において世界的な有名な大会社である。技術を支えてきた人たちの栄光が経営陣のひとつの判断によって大きく揺らいでいる。


※写真は昨年の「OLYMPUS PEN Lite」の広告から



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