ブラームスの2曲のセレナードは私を幸福にしてくれる。ハイティンクがコンセルトへボウを振った録音で聴く。このオーケストラの馥郁たる響きが優しい気持ちにさせてくれる。ホルンの音色、木管の響き。弦の美しさ。ティンパ二の柔らかな音。いいなぁ。絶品。
ハイティンクが良いのか、オーケストラが良いのか。それが判別できないほどに個性が少ない指揮ぶり・・・。かつてハイティンクの評判は芳しいものではなかった。しかし、LPの時代、1970年代から私は彼のマーラーやブラームス、シューベルトを良く聴いていた。結論は指揮とオケとホールの三位一体。すべてが最高のものであって成し遂げられる演奏ということだ。
そして彼らの頂点は1970年代のなかば頃からだろうか。このセレナード1番は1976年の録音。2番は1980年。ハイティンクの演奏はカルロス・クライバーやチェリビダッケのように聴いていて、びっくりさせられることは全く無いのだが、聴く者を唸らせるのである。聴き手を静かに感動させるとでも言うのか、聴き手を幸福な気分にさせる。オーケストラの楽器、響きをストレートに聴き手に伝える技というのか。わかるかなあ。ハイティンクの特長であると思う、これは。
それで、前回触れたウィグモア・ホールのことではないが、やはり、コンセルトへボウのあの素晴らしい音響効果が録音に十分反映しているということだ。
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