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2012年5月8日

メコン・デルタ Mekong Delta


メコン川の日帰りツアーに行ったとき、バーバーのアダージョが頭の中で鳴り始めた。音楽自体はベトナムやメコン川と何の関係もないが、かつて観た映画「プラトーン」の効果である。また前前日にホーチミンの戦争証蹟博物館を訪れ、ベトナム戦争当事の沢山の凄惨な写真を見たせいか、あの美しく悲しい音楽とともに、映画の執拗なまでのこれまた救いようの無い戦闘場面も甦ってきた。


ベトナム人は自分たちの国を「若い国」という。確かに発展途上の、という意味ではそうかもしれない。


だがj欧米列強に占領され蹂躙され何もかも滅茶苦茶にされたのはそんなに旧いことではない。そして第二次大戦後のわが国と同じような道を彼の国も辿るのだろうか。いや、今でも十分素晴らしい国だよと言いたいし、日本の悪しきところは真似ないで欲しいと言いたい。


われわれは海外旅行で、安い安い、美味い美味いと能天気に観光を楽しむヒトで終わっていないだろうか。自責の念を含めて書き留めておこう。われわれこそがベトナムの歴史を振り返り、いつも平和について考え続けなくてはいけないのだ。


それにつけても、最近のわが国の政治家は文化を軽んじている。音楽の力、映画の力、博物館の力・・・もちろん書物や写真や美術もであるが。そういうものを確実に保存し、広く一般に供し、そしてそれを続けるには莫大な費用がかかるわけであるのだが、金がかかるというだけで止めたりしたら困る。一番困るのはわれわれの子孫、わが国の将来である。「平和な未来」のためにも投資は必要というものだ。


米国のこの戦争の戦費だけで5180億ドルだそうだ。











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