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2010年10月2日

人生の秋に人生の秋を聴く。

秋に相応しい曲。それはなんといってもモーツァルトのクラリネット協奏曲だ。

クラリネットは特に好きな楽器ではないけれど、この曲はモーツァルト最晩年の、単純ではあるがしかし大袈裟に言うとしみじみじと人生の秋を感じさせる大傑作であると思う。

この曲の名演奏としては、ウイーンの名手たちの名盤が思い出される。レオポルド・ウラッハやアルフレート・プリンツ。しかし最新の録音でそれらも凌駕するであろうと思われる大変すばらしい演奏にめぐり合ったので紹介したい。FABIO DI CASOLAなるスイスの奏者がSONYに昨年の秋にレコーディングしたものである。ソロもすばらしいが、最近は珍しいウィンタートールのオーケストラも悪くない。

フィルアップは嬉しいことにモーツァルト作では無いとされる管楽器のための協奏交響曲。ホルン、オーボエ、クラリネット、ファゴットが活躍するこの曲も私は大好きである。双方に共通するのは長調の曲でありながら、抑制された愉悦とそこはかとなく漂う寂寥感が感じられるということ。

ふとモーツァルトのクラリネットコンチェルトが聴きたくなり購入したのだが、このように、いわゆる大家ではない(と思われる)人たちによる素敵な名演にめぐり合うことがあるからCD漁りは止められないのだ。

最高の名演。是非是非聴いてください。


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