モーツァルトの「ドン・ジョヴァン二」は非常に興味深いオペラである。音楽だけをとってもさまざまな解釈が出来るし、また、過去からこれまで多くによって分析されたり解釈されてきたのである、しかし決定的な演奏がなかなか出てこない、言いかえれば非常に解釈が難しいということであり、しかしだからこそ極めて演奏し甲斐のある、またいつも聴きたくなる、観たくなる、素晴らしい魅力的な作品であると思うのだ。以前、チェザーレ・シエピが逝去した折にもこのオペラについては触れたのだが、簡単には語りつくせないオペラが「ドン・ジョヴァン二」なのである。
今回の公演の目玉は、二期会とライン・ドイツ・オペラの新しいプロダクションの初演ということである。演出はオーストリアの女流カロリーネ・グルーバー。現代的な部分も少し取り入れていたり、タイトルロールの解釈などかなり独自性を打ち出している。まあ本番を見てのお楽しみということである。今日は稽古なので衣装や装置が想像の域を出ないため私自身も本番に新たな気持ちで望むこととなるわけである。そして十分エロチックでシリアスなドラマジョコーソに仕上がるであろうことは容易に予想される。また現代的に解釈されたと言ってもやはり主役はドン・ジョヴァン二にであり、しっかりドンナ・エルヴィラが重要な位置にあった。即ち配役の軽重から言えば音楽的には伝統的な解釈と言ってい良いだろう。
歌手は全員、アンサンブルを含めて高水準。なかでも宮本益光さんのドン・ジョヴァン二、特にその声質はドン・ジョヴァンニとして理想かも。この二期会とライン・ドイツオペラとの共同プロダクションによる公演はいよいよ11月23日から始まる。今日はBプログラムのキャストの通し稽古を見させていただいたのだが、本番ではどうなっちゃうのだろうか・・。というほどに歌だけ聴いても相当なレベルまでに高められたパフォーマンスであった。
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結局関係があったのはこの二人だけ |
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最後の対決
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本日の配役 | |
ドン・ジョヴァンニ | |
|  | 宮本益光 |
騎士長 | | |  | 斉木健詞 |
ドンナ・アンナ | | |  | 文屋小百合 |
ドン・オッターヴィオ | |
|  | 今尾 滋 |
ドンナ・エルヴィーラ | |
|  | 小林由佳 |
レポレッロ | |
|  | 大塚博章 |
マゼット | |
|  | 近藤 圭 |
ツェルリーナ | |
|  | 盛田麻央 |
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