モーツァルトのピアノコンチェルトを4曲。
23番、24番、20番、27番。内田光子がクリーブランド管とのライブCD2枚。このじつに丁寧で内田らしいテンポのゆれ、即興性もある素晴らしいモーツァルト。じっくり聴けば、いろいろなものが聞こえてくる味わい深い、そんな演奏。かつてジェフリー・テイトの指揮の録音も聴いたが、それは録音を含めて少し生ぬるい感じがして、この最近の方がずっと良いと思う。少し前にザンデルリンクと録音したベートーヴェンのコンチェルトも良かったけれど・・。好みで言えば、あと22番、25番くらいも聴きたい。
しかしテンポのゆれ、極端な強弱、過ぎた装飾音一歩間違えればモーツァルトは大失敗になるのだが、60歳を過ぎていよいよ孤高の境地に入ったと見るべきなのか。内田光子も彼女の好きなフルトヴェングラーのような境地に至ったのか。「遠くから聞こえてくる音楽・・。」「全体が良くわかる音楽」「演奏家によって解釈された、魂を持った音楽」、彼女が言うところの「演奏の理想」が彼女自身の手によって創造されている。
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