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2010年4月26日

クセナキスの建築

前回クセナキスの音楽から受ける印象を少し書いたが、あれだけ多くの曲を作り、しかし著名な現代音楽の作曲家であるにもかかわらず、音楽以外のことでも語られるクセナキスとは何者?


第2次大戦当時は祖国ギリシャで反ナチ・レジスタンス運動に参加、戦闘で左顔面と左眼を失う。そして死刑宣告までされた。


数学と建築も学んだクセナキスは確率論や統計学を音楽に用いているそうである。彼の建築物が存在するのかどうかは知らないが、「音楽と建築」という書まで著しており、かつてわが国でも高橋悠治の訳で出版された。私は未読であるが現在絶版になっており、復刊が望まれる。


あと、どこかであの高名な建築家ル・コルビュジェと一緒に作品を残したと言うようなことを読んだ記憶もあるのだが。あくまで不確かな記憶で事実でないかもしれない。
で、クセナキスの音楽からそしてそのル・コルビュジェの作風から、また、彼らの生きた時代から、クセナキスの建築物を想像して見るのはどうだろう。


ル・コルビュジェは当時としてはモダンで直線的な感覚の現代的な建築で名を残している。(上野の東京文化会館の隣にある国立西洋美術館が有名)

ル・コルビュジェにクセナキスが出会ったのは第2次大戦後2-3年してからだろう。クセナキスは彼のアシスタントとして12年働いた。その頃の建築であれば多分ル・コルビュジェに近い感覚のものであったのかもしれない。まだ作曲の作風が晩年の暴力的ないしグジャグジャしたものになる前の頃を想像してみよう。その頃の彼の音楽を聴きながら。

2 件のコメント:

  1. 勉強されてますね~!
    「音楽と建築」持ってますよ。今度お貸し出ししますね!
    数式になるとチンプンカンプンですが・・
    先日オーケストラでオールクセナキスの時に演奏した曲の解説があり、やはり音を出した作品に関しては興味深いです。
    私にはクセナキスの音楽は美しく聴こえます。
    打楽器の作品も大好き!
    注:あまり予習し過ぎないでください。

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  2. 難解なので何回も聴かないと・・・。

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