という感じ。昨晩は不思議な体験であった。金沢の老舗料亭「大友楼」は3度目であるが、昨夜は、古くから伝わる「七草粥の儀式」というものを見せてもらった。土間では、袴を着、刀をさしたご主人が口伝えの歌をうたいながら七草を、しゃもじや擂り粉木など、さまざまな調理用具で叩いてゆく。古くは旧正月の6日などに行っていたという。いまは新暦なのであるが、その晩は旧暦に近い時期であったから、新暦に行われるよりは昔に近いということか。
その儀式が終わり、宴の開始。さまざまなお料理が供されるのであるが、そのなかでも驚いたのは「雉の羽盛り」
地元で獲れた本物の雉をまるごとで出された。しかも獲れたばかりであるからして雉の羽の色が鮮やか。肉は焼き物として出され、さらに骨酒も目の前で火を灯し、肉や骨により骨酒を作りいただくのである。その酒は雉の油と旨みが出て美味。
天保元年の創業というから、当時の器や調度、すべて美術品のお値打ち物。何気ない小皿が数万円?ご主人、使わなければ意味が無いとおっしゃる。その他お蔵には美術品や誰もが知っている来店された著名な古人の書やゆかりの品々等が収蔵されている。ようは家屋、食器など所蔵する全てが美術品。大友楼はさしづめ、たいそう美味な美術館。
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