一週間ぶりに音楽を聴いた。あの大地震の前以来である。1時間の短いコンサートであったけれど、いろいろ考えるところが多かった。
多くのイヴェントやコンサートが中止となっているさなか・・。でも聴衆は集まった。当日券も売れていた。新人の初のリサイタルにもかかわらずほぼ満員。演奏家は音楽家に出来ることは音楽だ。と言う。
確かに死んでしまった人は多く、行方不明の人も多く、悲しみ、苦しんでいる人々も多い。しかしすべてが元通りにはならない。しかし一刻も早く、若い人、子供たちの明るい将来に向けて、私たちは皆それぞれが出来ることを着実にそして精一杯行うだけである。経済活動の停滞を助長させることのないように。
昨年4月のOEKの登竜門コンサートでソリストとしてOEKデビューした角口圭都はたった一時間のなかで密度の高いコンサートを作り上げていた、まず「カルメンラプソディー」でいきなり川岸麻理のピアノとともに流麗なテクニックを披瀝する。次のCPEバッハの無伴奏ソナタではじっくりソロを聴かせ、彼女の一番好きな曲という「なき王女のパヴァーヌ」でしっとり。(サックスでも違和感無し)。後半は石川県出身の中田真砂美を加えての演奏。息の合った星出尚志の「チェィサー」の後、今日の白眉、角口と川岸によるデザンクロ作曲「プレリュード、カデンツとフィナーレ」。サックス奏者にとっては避けて通れない曲(角口)とのことであるが流麗なテクニックで吹ききっていた。初めて聴いたが、何かドビュッシーの「海」を聞くような感覚。最後の中田、川岸とのピアソラ・メドレー(角口編曲)も乗り乗りの演奏。構成も良かった。(於、金沢県立音楽堂交流ホール)
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