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2011年12月17日

天馬空を行くルネ・レイボヴィッツの第九


チェリビダッケの超スローな「シェラザード」を聴いた。これはこれで綿密に組み立てられたスケールの大きい素晴らしい演奏。だがその反動なのか、久々にレイボヴィッツのCDが聴きたくなった。この指揮者のベートーヴェンはテンポが速いことで知られているが、よく聴いてみると、やはり相当速い。この第九は全曲通して約一時間。しかしただ速いのではなく、フレーズによっては微妙にテンポを変えているし、時に金管を強奏させたり。ちょっと個人的には飽きつつある第九ではあるが新鮮、過激、超個性的な第九の演奏である。あっという間に駆け抜ける第九である。

この第九は、今はもう無い、米国の雑誌「りーダースダイジェスト」が録音した交響曲全集の一枚。録音はあの名エンジニア、ケネス・ウィルキンソン。今から50年前の録音にもかかわらずキレの良い音質でオーケストラの醍醐味が堪能できる。このころロイヤルフィルは荒っぽいところがあるが威勢の良い金管群、ティンパ二、そして弦楽器などが大活躍。そうスピーディで躍動感のある演奏なのである。いいね、こういう第九も。

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