前回ふれた、リューベックのカテドラルでの8番は残響が多く、そのことをマイナスポイントとして言う人もいるが、スケールの大きさ、音響の深さ、そして金管とティンパ二の迫力は凄い。音量を上げて聴いてほしい。
弟9番は小生が最も多く聴いてきたブルックナーである。
普通残響が長いところで演奏するとテンポは遅くなりがちであるのだが、リューベックの9番は遅くないどころか、同じオケとのハンブルグでのライブやベルリン・ドイツ響との録音より速い。そう、ヴァントの録音はどれも素晴らしいのだが、晩年になってからはテンポをゆっくり取るようになりその分若干緊張がゆるんでいるように思われる。ベルリン・フィルの一連のライブもそう思う。だから、緊張感のあるリューベックを推すのである。そして同じ教会でのライブ、オットーボイレンでシュトットガルト放送響を指揮した録音もリューベックのそれと同じ理由で素晴らしいと思う。もしかするとリューベックの録音を凌駕しているかもしれない。欠点はオケの、特に金管にミスが目立つところか。少し粗いところもあるが全体的な迫力は随一である。
(つづく)
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