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2010年6月30日

森の情景


この曲、演奏頻度やCDの数はあまり多くないと思われるが、久々にとても良い録音に出会ったのでシューマンの「森の情景」作品82について。



シューマンのピアノ独奏曲といえば、「トロイメライ」(子供の情景)、「アラベスク」、「クライスレリアーナ」、「交響的練習曲」、「幻想小曲集」、「謝肉祭な」どが代表作としてあげられる。


もともとシューマンが作曲家としてスタートしたとき、ピアノ独奏曲を多く創った。作品1の「アベッグ変奏曲」から作品23の「4つの夜の曲」まではすべてピアノ独奏曲。そしてピアノ曲の代表作のほとんどがこの23曲に含まれるのである。そう、初期の作品に素晴らしいものが多いのも事実。だが、「森の情景」は作品82。シューマンとしても初期の作品ではない。


「森の情景」、原題は「Waldszenen」。ドイツの森といえば「深くて暗い森」が思い浮かぶがこの曲の感じはそんなイメージではないもっと軽い感じである。


「森の情景」は9曲からなるが、単純でやさしいがしかしどこか陰のあるメロディーで始まる第1曲目。3曲目はところどころ一瞬間違えたような感じの音をはずしたような箇所が出てきたり。その他、変な曲が多い。演奏も難しいのではないか。モーツアルトが楽譜は単純なのに演奏が難しいのに似ているかも。


そして9曲それぞれの表題からして怪しい。



     ①入り口 (Eintritt)

     ②待ち伏せる狩人 (Jager auf der lauer)

     ③寂しい花 (Einsame Blumen)

     ④気味の悪い場所 (Verrufene Stelle)

     ⑤なつかしい風景 (Freundliche Landschaft)

     ⑥宿 (Herberge)

     ⑦予言の鳥 (Vogel als Prophet)

     ⑧狩の歌 (Jagdlied)

     ⑨別れ (Abschied)


ロベルト・シューマンの誕生日は過ぎてしまった(6月8日)。今年生誕200年だそうだ。


この曲の久しぶりの素敵な演奏は、あのマリオ・ジョアオ・ピリス。フィルアップはこれも録音の少ない「ウィーンの謝肉祭の道化」などで、嬉しい。

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