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2010年8月16日

暑い時には熱い演奏を。

昨年、一昨年の夏の暑さはこれほどではなかった。昨日は外に出るとくろこげになりそうであったから、日中は家に閉じこもり音楽を聴きまくった。チャイコフキーの交響曲全曲。ショスタコーヴィッチの5番、7番の交響曲。


このクソ暑いのにと思われるかもしれないが、ロシアの指揮者エフゲニー・スヴェトラーノフを集中的に聴いた。


これまでチャイコフスキーは5番、6番は小澤征爾のどぎつくなく美しくしかし十分熱い演奏が好きで聴いていた。(5番=DG盤、ベルリン・フィル、6番=Philips、パリ管)その他の交響曲はこれと言うものが無く、チャイコフキーはもういいやと思っていた。ところが昨日聴いたスヴェトラーノフの1980年のサントリーホールでの実況録音は6曲すべてが良い演奏で、ようやく全曲に関して納得できる演奏にめぐり合う事が出来た。


男性的で熱のこもった演奏で、金管の咆哮、ティンパニ、大太鼓の強打が印象的。テンポも頻繁に動かす。小澤の解釈とは対極にあるアプローチである。


ショスタコーヴィッチの超有名な2曲も良い。7番はこれまでキリル・コンドラシン指揮が好きであったが、スヴェトラーノフのこの演奏はそれに取って代ることとなるだろう。5番も名演。(それぞれ78年、70年の録音)

これらチャイコフスキーやショスタコーヴィッチの演奏に関して言えば、厳格で冷徹なエフゲニー・ムラヴィンスキーの演奏を重んじる向きが多いいようだが、スヴェトラーノフの演奏はもっと奥行きがあって華があると思うのだが。
ロシアは文学にしても音楽にしても深く巨大である。私たちとは対極にあるもの。




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