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2010年11月9日

再び。ラヴェルのピアノ協奏曲

昨日にひき続き、同じ曲。



もうひとつの名演奏を忘れていた。1957年にフランソワと同じくEMIに残した録音。アルトゥーロ・べネデッティ・ミケランジェリのピアノ。


録音された年代や会社は同じでも、演奏はまったく違う。実は今、ミケランジェリのを聴いて、フランソワよりかなり完成度が高いということを再認識。ピアノはフランソワのなかばてきとうな感じとは一線を画す。精緻を極める。オケはロンドンのフィルハーモニア。パリのコンセルトヴァトワールのそれよりも格調があり、まじめ。


演奏会の前、まったく緊張することが無かったフランソワ。楽器についてもこだわらない性格。逆にいつも演奏前は緊張していたミケランジェリ。ドタキャンも多かった。わざわざ遠い国に費用と時間をかけ、重たい自分のコンサートグランドのピアノを持ってくる。神経質な完璧主義者。


ミケランジェリのこのラヴェルの演奏はバカラのクリスタルを思わせる。あーあ。どちらも愛すべき名演。しかし、どちらかと問われれば今日はミケランジェリということにしておこう。




ミケランジェリ
1920-1995

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