クロード・ドビュッシーの「海」が出版された時、表紙には葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」が印刷されていた。
ドビュッシーが北斎のその版画に霊感を得て作曲したといことである。しかしこの曲から日本的なもの、浮世絵的なものを感ずることは無い。
僅か20分少々の短い曲に、大きな海、そして深い海、そしてほんとうに美しい海の風景を感じる。北斎の誇張された日本的な「海」とは違う世界である。
私が初めてこの曲を聴いたのはピエール・ブレーズがフィルハーモニア管を指揮したLPレコードで、そのCBSソニーのジャケットは北斎の版画をあしらったものであった。意図されたものでは無いにせよブレーズの海は平面的で面白みに欠ける印象であった。
ブレーズは今も作曲家として、また指揮者として超一流である。しかしその「海」以来、私はこれまで感動を覚えた彼の演奏は一つも無い。その頃の世評に高いクリーブランド管との「春の祭典」でさえつまらなく感じた。春の祭典ならば、マルケヴッチをもって嚆矢とする。1980年ごろの来日時の日本フィルとの演奏!それは凄い解釈であったが、録音でもフィルハーモニア管を指揮したものが今でも最高である。
話がそれたが、「海」では、ブレーズと同じフランス人のジャン・マルティノンがフランスの放送局のオケと録音したものが断然素晴らしいと思う。この録音からは印象派の絵画のような色香が感じられる。
なんと☆
返信削除オーケストラ作品の中で、いや・・「音楽作品の中で」
私が最も愛する作品と言ってよいかもしれません。
これを語らせたら長いですよ~~~。
☆是非是非語ってください☆
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