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2011年9月18日

残暑


最近気候がおかしくなっているという。未だ暑い日が続いているのはそのためだと。しかし政府指導の節電が終わり、オフィスの冷房も通勤電車の冷房も普通に戻り、逆に体が冷えすぎてしまうこともある。体が節電による冷房の高めの温度設定に慣れてしまっていたのだ。

テレビのある番組を見ていたら今回の節電が予想以上に成功した理由として日本人の組織力、 団結力や気質にあるというようなことを言っていた。そして、これだけの節電が出来たのは、これまでの生活習慣に無駄が多かったこと、やれ日本の高速道路の街灯が明るすぎる、家庭の照明、レストランの照明が明るすぎるといったことが縷々語られていた。そんなことは一度でも欧州に旅した人は誰でも知っている。そしてそうなった原因を考えることが大事だ。

暑い夏の、しかし屋内の涼しさに慣れていた私たち。暗いはずの夜の明るさに慣れていた私たち。これらは電気メーカーや電気屋さんや、電力会社、いや政府の陰謀に嵌ってしまったということではないのか。どうもこの異常気象ならぬ異常な騒ぎは経済成長推進政策の残滓として見えるのだが。欧州の夜の室内は家庭にしろ、ホテルの部屋にしろ暗い。暗くしているのではなくて日本のように明るくならないのだ。レストランも同様だとおもうが。明るい必要が無いということでもある。

話は変わるが、中国で新築マンションを買うと、内装が施されていない。購入した人が個人で手配し、好きな内装や照明をつけるということなのだが、これだけは合理的と言いたい。おそらく日本のマンションは明るい照明器具がいくつも設置され、さまざまな電気製品、たとえば必ずトイレには電気式の尻洗い器がついているし、食器洗い機や床暖房なども付いているものが多いでしょう。何でも付けりゃ良いかといえば、そうではなくて、多分日本人はそれが当たり前だと思っているのでしょうね。これも高度成長の残滓。

戦後のわが国の政策は今日に至るまで、将来の日本のあるべき姿を定義せずに、経済成長=裕福=幸福と思い込み経済の高度成長一点に置いて進めたということである。そしてその誤りにまだ気付いていない。

2 件のコメント:

  1. このことを書いてくださって胸がスカッといたしました。
    まったくもって仰る通り。
    ドイツの夜の街、電車、駅、空港なんて夜到着すると不安になるほど暗く、手荷物のターンテーブルも動いてるところにしか明かりが無く、他は暗い。日本はどうだ・・必要以上の明かりが煌々としている。今回の節電で、それに気づけると良いのですが。

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  2. ほかにもおかしなことはいくらでもあります。

    〈怒りっぽくなった老人より)

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