今をときめくエリーナ・ガランチャについては以前から書きたいと思っていた。彼女の3枚目のソロ「HABANERA」。これがまた見事で、ますます彼女の素晴らしさに嵌っている。このCDはジプシーやスペインに関連した曲を集めたアルバムで、バックは彼女の夫の指揮でイタリア放送局のオーケストラなど。ビゼーのカルメンを中心に据え、レハールやファリャ、バーンスタインの「キャンディード」までオペラからの歌そしてスペインの歌曲などなど計18曲が収められている。ガランチャの声の素晴らしさと楽しさ満載のアルバムである。
エリーナはリガの出身。ラトヴィア人である。ラトヴィア出身というと今活躍中のギドン・クレーメル、ミッシャ・マイスキーやマリス・ヤンソンスといった世界的に著名な音楽家がいるが、ラトヴィアは人口220万人ほど。何故このような小さい国から多くの著名な音楽家が輩出されるのか。その秘密を知るためにも是非このバルト海に面した小さな国に行ってみたいと強く思う。バルト海の真珠と呼ばれる古都リガはおそらくガランチャの歌のように優しく柔らかくそして欧州の石造り建築のごとくスケール、強さも感じられる類稀なる美しい街なのだろう。
オペラ界での活躍は眼を見張るものがある。最近ではカルメンの大成功などもあって、ヨーロッパオペラ界では最も熱いスターの一人になってしまった感はあるが、今後も聴き続けるべきメゾである。
ロッシーニ、そしてべッリー二やドニゼッティからモーッアルト、R.シュトラウスなど、どれも上手いし、素晴らしい。そしてこれは重要なことなのだが、彼女自身に相応しい役柄と素敵な曲を選んでいるように思う。
Habanera
1.バルビエリ:パロマから
2.ビゼー:「カルメン」から セビリャの城壁の近く3.レハール:「ジプシーの恋」から ツィンバロンの響きを聞けば
4.バルフ:「ボヘミアン娘」から 私が夢見たこと
5.モンサルバーチェ:黒人の子守歌
6.ファリャ:愛の悩みの歌
7.同:ナナ(子守歌)
8.ラヴェル:ハバネラ形式のヴォカリーズ
9.チャピ・「ワッフル」から 深い時
10.バーンスタイン:「キャンディード」から 影響されやすいの
11.ガジャルド・デル・レイ:愛の歌
12.ファリャ:ホタ
13.ルーナ:「ユダヤ人の子供」からスペインの歌
14.ビゼー:カルメンから 振鈴の棒が
15.オブラドルス:エル・ヴィート
16.セラーノ:ギターの歌
17.ビゼー:カルメンから 恋は野の鳥
18.;ビゼー:カルメンから
エリーナ・ガランチャ(メゾ・ソプラノ)
ロベルト・アラーニャ(2:テノール)
クリスティナ・アントアネッタ・パサリオウ(14:ソプラノ)
ジュゼッピーナ・ブリデッリ(14:ソプラノ)
ホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイ(11~12、15:ギター)
トリノ王立歌劇場合唱団(クラウディオ・フェネグリオ)
RAI交響楽団
指揮:カレル・マーク・チチョン
録音時期:2010年5月14~18日
録音場所:RAIオーディトリアム・アルトゥーロ・トスカニーニ、トリノ
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