Translate

2012年10月6日

ジョージ・セル再聴

ジョージ・セル、好きな人は大好きであるが、一方で、やれ硬いとか冷たいとか批判的な向きもあるように思う。

私は今では大好きな指揮者である。今ではというのはLP時代は、CBSソニーのLPの音が硬く、また晩年のEMIの音はぼやけていて、音質からセル・クリーヴランドの演奏を敬遠していて、しばらく私はセルの熱心な聴き手ではなかったのだ。ただ例外的に聴き続けたのはデッカから発売されたウィーンフィル、我が愛するピラール・ローレンガーとのエグモントや、ロンドン響を振ったヘンデルなど。音質も演奏も良くて大事に聴いたものだ。CDでも買いなおした。

高校生の時にベートーヴェンの交響曲全集を図書館か友人から借りて聴いたがピンと来なかった。CD時代になりフィリップスとデッカの録音はほぼすべて聴いたが、なかなか良いが、最高というところまでは行かなかった。

しかしある時(比較的最近なのだが)クリーヴランドとのベートーヴェンの第九を聴いて驚いた。金管の強奏、しっかりしたリズム感、そして精緻を極めた合奏などはいつものセルなのだけれどもスケール感もあるし、激しさ、美しさを兼備した、もしかすると最高の演奏かもしれない。合唱、ソロの部分も明晰で素晴らしい。音も良いじゃないか。

全集は現在発売していないようだが再発されれば是非もう一度全曲を聴き直したいと思っている。あと、ブラームスも聴きなおしてみたいな。

0 件のコメント:

コメントを投稿